私は2016年8月、約140年間続いてきた小売業としての家業を廃業した。
廃業した理由についてはいくつかある。
1・消費不況の中、売り上げの減少が続いており、今後の発展性がない。
2・自分は親の意志を継いでエンジニアから小売業に転身したが、自分の子供には子供自身が思うような人生を歩ませてやりたい。
3・妻と死別しているため女性相手の仕事を男の自分が一人で継続していくのは困難が伴う。
以上が掻い摘んだ大きな理由である。
その大別した大きな理由の中には、細かな理由が分散しているのだが、この投稿ではそれについての説明は行わない方が良いと思う。
僕は、閉店してその後をどうするかにおいて長い時間悩み、その結論を出すことが出来ずに閉店が約一年間遅れた。
自分が将来したいと思っていたこの”ふれあいネット”のような事業を直ぐに立ち上げることも考えたが、しばらく時間をおいて余裕を持った方が良いのかとも考えた。
半年にしろ、一年にしろ、二年にしろ時間を置くならその間をどうするかも考えた。
何もせずに時の流れに任せて本当にユックリするべきか?
自分の年齢でも採用してくれる会社を探して会社員として勤めながら次のことを考えて行くか?
今の自分に向かない仕事でも将来の”ふれあいネット”の起業に向けて勉強のつもりで そのような会社に応募していくべきか?
いろいろ、廃業後の自分の身の振り方について悩んだ。
でも、閉店に伴い借入金を全額返済したのでお金は無かったが、不思議と次の就職先で定年退職の年齢まで日々の生活費のために働くことは考えなかった。
自己破産まで考えていたのに何と悠長な、甘えた考えだったのだろう・・・
でも、そのおかげでこうして」”ふれあいネット”を立ち上げることが出来たのだから結果オーライである。
そうして、老人と、またその老人を抱える自分の同年代の人と接することが出来る葬儀社の会社に再就職した。
葬儀社に入ったことで、端から考えていた以上に老人を取り巻く環境が孤独に満たされていることを認識した。
今まで葬儀社に就職して一年以上老人を取り巻く環境を目の当たりにしてきて、そろそろ”ふれあいネット”の本格的立ち上げの時期が来ているのかも知れないと感じている。
次の事を余裕をもって考えれる心の余裕が僕自身の中に出来たことが一番の大きな理由だと思う。
再就職するとき、どのようなスタンスで次の会社を選択するかは、高齢者が再就職する場合の大きな判断材料になるのでは無いだろうか?